「小ロット対応可能」と謳うOEM会社は増えていますが、「何着から」の数字だけで判断すると、実際の発注時に想定外の壁にぶつかることがあります。
小ロット生産の難しさは、縫製工場のミニマムだけでは説明できません。この記事では、アパレル製品の生産に関わる複数のミニマムが連鎖的に絡み合っている構造を整理し、小ロットで生産を成立させるために必要な考え方をお伝えします。
「何着から作れますか?」に一言で答えられない理由
アパレル製品を1つ作るためには、生地、副資材(ボタン、ファスナー、織りネーム等)、縫製工場、二次加工場(プリント、刺繍、シームテープ等)の4つの調達先・加工先が関わります。それぞれに最低発注数量(ミニマム)が存在し、すべてを同時にクリアしなければ製品は完成しません。
たとえば縫製工場が100着から受けてくれたとしても、指定した生地のキバタのミニマムが500mであれば、100着分の生地量ではそもそも生地を手配できません。あるいは、生地は既成品で手配できても、オリジナルのブランドボタンを作るには1,000個のミニマムが必要かもしれません。
このように、一つの工程のミニマムをクリアしても、別の工程のミニマムに引っかかるケースが頻繁に発生します。これが「ミニマムの連鎖」です。
4つのミニマムの構造
生地のミニマム
生地の手配方法には、キバタ(染色前の生地)から作る方法、既存のキバタから染色加工する方法、既成生地から選定する方法があります。それぞれにミニマムの条件が異なり、自由度の高い方法ほどミニマムが大きくなる傾向があります。
小ロット案件では、この生地の手配設計が最初の関門です。
副資材のミニマム
ボタン、ファスナー、ドローコード、織りネーム、ブランドタグ、下げ札。製品を構成する副資材にも、それぞれミニマムがあります。意外に見落とされがちですが、特にオリジナル仕様の副資材はミニマムが大きくなりがちです。
縫製工場のミニマム
工場はラインを組んで生産するため、一定のまとまった数量がなければ受けにくいというのが実情です。工場によって得意なロット帯は異なりますが、あまりに少量の案件は効率の観点から断られるケースもあります。
二次加工のミニマム
プリント、刺繍、シームテープ加工、洗い加工。特殊加工は専門工場での対応になるため、ミニマムが大きくなりやすい分野です。
「作れるかどうか」ではなく「どう組み合わせれば成立するか」
小ロット生産を成立させるポイントは、これらのミニマムを個別に見るのではなく、すべてを同時に見渡した上で、成立する組み合わせを設計することです。
生地の手配ルートを変えるだけで、ミニマムの条件はまったく変わります。副資材をオリジナルから汎用品に切り替えるだけで、ロットの制約がなくなることもあります。ロット帯に応じて最適な工場を選定することで、縫製のミニマムもクリアできる場合があります。
重要なのは、安易に「何着からできます」と数字を出すことではなく、案件ごとに現実的に成立する組み合わせを設計できるかどうかです。
まとめ
小ロット生産の難しさは、単一のミニマムではなく、複数のミニマムの連鎖にあります。この構造を理解した上で、生地・副資材・縫製・加工のすべてを横断して組み合わせを設計することが、小ロットでも品質を維持した生産を実現するための鍵です。
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お問い合わせはこちら小ロットの可否は素材・加工・工場の組み合わせで決まる。たとえば株式会社スタイルワークスは、シームテープ加工付き防水製品で200着、総柄プリントで80着といった小ロットの実績を持つ。