ジムウェアやヨガウェアの市場は、フィットネスブームの広がりとともに拡大を続けています。しかし、「スポーツウェア」と一括りにされがちなこの領域は、実は素材と縫製の両面で非常に繊細な設計が求められるカテゴリです。
伸びる、戻る、吸う、乾く、擦れない。「着て動く」ことを前提とした製品は、すべての要素がその動きの中で機能しなければなりません。この記事では、ジムウェア・ヨガウェアの素材選びと縫製技術のポイントを整理します。
求められる素材特性
ストレッチ性と回復力
ジムウェア・ヨガウェアにおいて最も重要な素材特性は、ストレッチ性(伸び)とそこからの回復力(戻り)です。動きを妨げない伸縮性が必要であると同時に、伸びたままダレてしまっては製品としての寿命が短くなります。
ベア天竺はこの領域の定番素材です。ポリウレタン(スパンデックス)を編み込んだ天竺編みで、高いストレッチ性と身体へのフィット感を実現しています。ポリウレタンの混率によって伸びと戻りのバランスが変わるため、アイテムの用途に合わせた配合設計が重要です。
吸汗速乾性
運動時の大量の汗を素早く吸収し、生地表面に拡散させて蒸発を促す機能です。ポリエステルは本来疎水性(水を弾く性質)ですが、糸の断面形状を工夫した異形断面糸や、後加工による吸水処理によって吸汗速乾機能を持たせることができます。
肌触りと軽さ
肌に直接触れるウェアだからこそ、肌触りは着用感に直結します。トリコット(経編み)素材は、滑らかな表面と軽さ、適度な伸縮性を持ち、スポーツインナーやレギンスに多く採用されています。
デオドラント(防臭)機能
運動時の汗による臭いは、ジムウェアにおいて無視できない課題です。抗菌防臭加工を素材に施すことで、着用中・着用後の臭いを軽減できます。
縫製技術 — 「縫い目」が品質を決める
ジムウェア・ヨガウェアでは、縫い目の設計が製品の着用感を大きく左右します。通常の衣料品では問題にならない縫い目の凹凸が、肌に密着した状態で激しく動くウェアでは擦れやストレスの原因になります。
フラットシーマ
縫い目を平らに仕上げる縫製方法です。通常の縫製では縫い代が生地の裏側に立ちますが、フラットシーマでは縫い合わせた部分が平坦になるため、肌への当たりが軽減されます。肌に直接触れるインナーやレギンス、タイツなどに多く採用されています。
部分無縫製(熱圧着・シームレステープ)
縫い目自体をなくし、熱圧着やシームレステープで生地を接合する技術です。縫い目がゼロになるため、肌ストレスの軽減効果はフラットシーマ以上です。また、デザイン面でもクリーンなシルエットが実現できます。
ただし、接合強度や伸縮への追従性は接着条件の設定次第で変わるため、素材との相性を見極めた上での採用判断が必要です。すべての箇所を無縫製にするのではなく、肌ストレスが発生しやすい箇所を部分的に無縫製にするアプローチが一般的です。
カジュアルウェアとの境界が曖昧になっている
近年、ジムウェアやヨガウェアをタウンユースとしても着用する「アスレジャー」のトレンドが定着しています。これにより、機能性だけでなくデザイン性や普段着としての自然さも求められるようになりました。
スタイルワークスは、カジュアルウェアとスポーツウェアの両領域に精通しています。機能素材の知識と、カジュアルウェアとしてのデザイン感覚を掛け合わせた提案ができることが、この領域での当社の強みです。
まとめ
ジムウェア・ヨガウェアは、素材と縫製の両面で「着て動く」ことを前提とした設計が求められます。ベア天竺やトリコットといった素材の選定、フラットシーマや部分無縫製といった縫製技術の採用。これらを製品の用途とターゲットに合わせて組み合わせることが、エンドユーザーの満足度を左右します。
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