一度作った商品を追加生産するときは、前回の品番だけでなく、最終的に承認した仕様、基準となる見本、今回変えたい条件をまとめて伝えると、確認を進めやすくなります。「前回と同じ」という言葉を、双方が確認できる情報に置き換えることが大切です。
初回の生産中に寸法や付属品を変更していた場合、最初の仕様書が完成品と一致しているとは限りません。また、前回と同じ商品でも、生地や副資材の手配状況、発注数量、生産時期は改めて確認する必要があります。
この記事では、スタイルワークスへの追加生産のご相談に使える引継ぎ表と、前回から残しておきたい情報を整理します。
1. 「どの状態を再現するか」を最初に決める
手元に初回サンプル、修正サンプル、納品された商品がある場合は、どれを基準にするかを明確にします。写真だけでなく、見本に識別番号や確認日を付け、仕様書と対応させておくと探しやすくなります。
| 残しておく情報 | 記録する内容 | 混同を避けたいこと |
|---|---|---|
| 最終仕様書 | 品番、改訂番号、承認日、確定した寸法・縫製仕様 | 最初に送った仕様書をそのまま最終版と扱うこと |
| 基準見本 | 見本の識別情報、サイズ、保管者、確認日 | 修正前のサンプルと承認後の見本の取り違え |
| 生地・副資材 | 品番、色番号、混率等の資料、採用した付属品 | 見た目が近いものを同一品と扱うこと |
| 加工データ | 採用した図案、寸法、位置、色指定、ファイルの版 | 修正途中のロゴデータを再使用すること |
| 量産中の変更記録 | 変更箇所、決定日、最終仕様への反映状況 | メールや口頭だけで決めた変更の漏れ |
資料と見本に食い違いがある場合は、どちらを優先するかを相談し、合意した内容を記録します。確認できない箇所を、推測で「前回通り」と埋めないことが大切です。
2. 変更しない部分と、変更する部分を分ける
追加生産でも、着丈の調整、色の追加、サイズ展開の見直しなどがあれば、その内容を独立した欄に記入します。「仕様は同じ」と伝えた後で変更が加わると、どの条件で見積もったのかが分かりにくくなるためです。
次は、説明のための仮例です。実際の案件や費用を示すものではありません。
| 項目 | 前回の状態 | 今回の希望 | 確認すること |
|---|---|---|---|
| シルエット | 承認した最終仕様 | 変更なし | 同じ仕様書・見本を参照しているか |
| 着丈 | 最終仕様書の寸法 | 全サイズで変更を検討 | パターンやサンプルの確認が必要か |
| 色 | ブラックのみ | ネイビーも追加したい | 生地・付属品の色と手配条件 |
| ロゴ | 前回採用した図案 | 図案は同じ、位置を変更 | 位置の指定方法、再確認の範囲 |
変更点が少なくても、他の箇所への影響を確認します。たとえば着丈を変えるなら、ロゴやポケットの位置を元のままにするのか、それに合わせて動かすのかも合わせて伝えます。
3. 生地・副資材が再手配できるかを確認する
前回使った資材について、品番が継続しているか、希望色と必要数量を確保できるか、手配にどれくらい時間が必要かを確認します。残った資材がある場合も、使用可能な数量と状態を確認してから今回分に充てられるかを判断します。
再手配が難しい場合に備え、「素材感を維持したい」「機能を優先したい」「価格帯を変えたくない」など、代替案を選ぶ際の優先条件も整理しておくと相談しやすくなります。
色や風合いの再現が重要な商品では、前回の見本と今回の候補をどの方法で比較するかを決めます。同じ品番という理由だけで、見本確認を不要と決めないようにします。
生地・工場・生産時期を含む再生産の考え方は、D2C・P2CブランドとアパレルOEMの接点でも紹介しています。
4. 数量・価格・納期は今回の条件で確認する
前回と同じ仕様でも、今回の数量や色・サイズの内訳が変われば、確認すべき生産条件も変わります。前回の単価や納期を、そのまま今回の確定条件として扱わず、新しい見積もりとスケジュールを確認します。
また、「前回作ったからサンプルは不要」と一律に決めず、変更箇所や資材の状況に応じて、何を再確認するかを相談します。生地見本、加工見本、製品サンプルなど、必要な確認の範囲と、それぞれの費用・期間を整理します。
希望納期は、販売開始日と手元に商品が必要な日を分けて伝えると、納品後の準備も含めて検討できます。
5. 追加生産の相談に使う引継ぎ表
以下の項目を埋めると、前回の情報と今回の希望をまとめて共有できます。不明な欄は「未確認」と記入し、相談時の確認事項にします。
| 項目 | 記入する内容 |
|---|---|
| 対象商品 | 品番・商品名・前回の発注時期 |
| 最終仕様 | 仕様書のファイル名・改訂番号・承認日 |
| 基準見本 | どの見本か・サイズ・保管者 |
| 維持する条件 | 生地、寸法、縫製、加工など、変えない部分 |
| 変更希望 | 変更箇所・理由・優先順位 |
| 今回の数量 | 合計・色別・サイズ別の内訳 |
| 資材の確認 | 前回品の継続状況・残資材の有無・代替の可否 |
| 希望日程 | 販売開始日・納品希望日・確認に使える期間 |
| 見積もり範囲 | 再サンプル、加工データ修正、検品・梱包等の確認 |
| 判断担当者 | 仕様変更・見本・見積もりを誰が確認するか |
これから初回生産を始める場合は、最終仕様書、承認見本、採用データを誰がどの期間保管するかも、あらかじめ相談しておくと次回につながります。OEM会社がすべてを無期限に保管しているとは決めつけず、発注者側でも必要な記録を残しておきます。
追加生産を見据えた条件整理からご相談ください
株式会社スタイルワークスへのご相談では、作りたい商品の資料に加えて、再生産の希望や、前回から維持したい条件・変えたい条件をお知らせください。素材感、機能、価格、納期のどれを重視するかを共有することで、検討する条件を整理しやすくなります。
追加生産の可否や必要な確認工程は、商品と資材の状況に応じて判断します。前回の資料が一部しか残っていない場合も、その状況を含めてお伝えください。
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