何が起きたか
繊研新聞の鼎談連載で、日印ビジネスの課題と可能性が語られました。インドはサステイナビリティー施策で先進的な事例が多い一方、旧態依然としたサプライチェーンが残り、近代化が遅れている部分もあると指摘されています。最終的には商品力で選ばれることの重要性が示されました。
なぜ今注目したいか
中国以外の調達先を検討するなかで、インドを候補に挙げるブランドが増えています。環境対応の先進性と供給網の未整備が同居しているという実像は、発注の可否を判断する前提として押さえておきたいところです。国全体の評価は、一つの側面だけでは決まりません。
発注者が確認したいこと
新しい調達先を検討する場合に見るべきなのは、国全体の評価ではなく、実際に発注する工場の条件です。発注側は次の点を先に整理しておきたいところです。
- 作りたいアイテムが、その工場の得意な品種と合っているか
- 生地と副資材を現地で調達できるか、輸入に頼る場合はリードタイムがどれだけ伸びるか
- プリントや刺しゅうなどの二次加工を現地で完結できるか
- 環境配慮を訴求する場合、その根拠になる認証や試験結果を取得できるか
- 品質基準と検品方法を、どの言語・どの書式で共有するか
- 輸送日数、通関、関税を含めた総コストで比較できているか
先進的な取り組みがあることと、自分の案件でその水準を再現できることは別の話です。国全体の評価だけを見て発注先を決めると、量産に入ってから副資材の調達や検品の基準で認識の差が出て、調整に時間がかかることがあります。工場ごとの差が大きい段階では、まず一社で条件を確かめてから広げるほうが確実です。
スタイルワークス視点
スタイルワークスのように、複数の生産国を使い分けながら発注を組み立てる立場では、この種のニュースは「インドが伸びている」という話として終わらせるのではなく、候補地を一つ増やすかどうかの判断材料として読むのが現実的です。
たとえば、環境配慮をうたう商品を企画する場合、素材の環境価値だけを先に決めてしまうと、後から供給網の条件が合わずに設計をやり直すことになります。反対に、調達できる範囲と証明できる範囲を先に把握しておけば、どこまで環境配慮をうたう商品にするかを企画段階で決められます。
先進的な取り組みと未整備な部分が同居している国では、平均値で判断すると実態から離れます。どの工場で、どの条件なら作れるのかを個別に確かめておくことが、結果的に説明できる商品につながります。
参考
- 繊研新聞: https://senken.co.jp/posts/india-260717