日華化学、油汚れを防ぐ非フッ素撥水剤を開発――非フッ素の限界克服へ一歩

何が起きたか

日華化学が、油汚れに対応する非フッ素の撥水・防汚加工剤を開発しました。従来の非フッ素撥水剤は油をはじく性質がなく、油汚れの付着や撥水性能の低下が課題でしたが、撥油試験で効果が確認され、世界的にも珍しい非フッ素撥水・防汚加工剤として、非フッ素技術の限界を超える進展と評価されています。

なぜ今注目したいか

環境規制でフッ素系撥水剤(PFAS)の使用制限が世界的に進むなか、機能を落とさない非フッ素代替の素材・加工剤の選択肢が増えることは、アウトドア・スポーツ・ワークウェアの企画に直結します。防水仕様ではシームテープ加工と撥水加工の組み合わせが前提になるため、加工剤の進化は仕様設計にも影響します。

発注者が確認したいこと

撥水加工は、素材選定と同じくらい発注条件に影響する工程です。非フッ素への切り替えを検討する場合、発注側は加工剤の名前だけでなく、次のような条件を先に整理しておきたいところです。

  • 求める性能が撥水だけか、撥油・防汚まで必要か
  • 洗濯や摩耗を繰り返した後の性能をどの水準で保証するか、試験方法と回数をどう決めるか
  • 使用する生地の組織や素材構成で、その加工剤が使えるか
  • 防水仕様にする場合、シームテープとの相性を確認できているか
  • 加工賃と最低ロットが、既存のフッ素系加工と比べてどう変わるか
  • 商品タグや販売ページでの表現と、その根拠になる試験結果を取得できるか

特に、性能表示は後から変更しにくい部分です。初期段階で「どの試験結果をもって、何を訴求する商品にするか」を決めておくと、サンプル以降の手戻りを減らせます。

スタイルワークス視点

スタイルワークスのように、素材、縫製、加工を横断して相談を受ける立場では、この種のニュースは「加工剤メーカーの技術発表」として終わらせるのではなく、仕様書に書く条件が一つ増えた、と捉えるのが現実的です。

たとえば同じアウターでも、日常の小雨をしのぐ商品と、作業中の油汚れを想定したワークウェアでは、必要な加工の水準が違います。前者なら一般的な撥水で足りることが多く、後者では撥油性能と洗濯耐久の条件を先に決めておく必要があります。加工剤の選択肢が増えるほど、「とりあえず撥水加工」で発注すると、想定と違う仕上がりになりやすくなります。

環境規制への対応は、素材だけで完結しません。加工、副資材、そして表示まで含めて整理しておくことが、結果的に説明できる商品につながります。

参考

  • 繊研新聞: https://senken.co.jp/posts/nicca-260717
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