何が起きたか
7月7〜9日にロンドンで開催された調達展示会Source Fashionは、19カ国・305社が出展する過去最大規模となりました。初のベトナムパビリオンに加え、モーリシャス、インドネシア、ヨルダン、エジプトなど新しい生産国の出展が増え、バイヤーの調達先分散ニーズの高まりを映しています。会場では、服の作られ方を学び直すバイヤー向けの実演も行われました。
なぜ今注目したいか
地政学リスクとコスト変動により、単一国依存から複数国への調達分散が世界的な流れになっています。生産国の選択肢と各国の得意分野を知ることが、発注戦略に直結します。
発注者が確認したいこと
生産国の選択肢が増えることは、そのまま発注条件が良くなることを意味しません。国ごとに得意な品種、対応できる加工、最低ロットが違うためです。新しい生産国を検討する場合は、次の点を先に確認しておきたいところです。
- 作りたいアイテムが、その国の得意な品種と合っているか(ニット、布帛、アウター、ユニフォームなど)
- 生地と副資材を現地調達できるか、輸入に頼る場合はリードタイムがどれだけ伸びるか
- プリント、刺しゅう、製品染めなどの二次加工を現地で完結できるか
- 最低ロットとサンプル対応の速さが、企画の規模に合っているか
- 輸送日数、通関、関税を含めた総コストで比較できているか
- 品質基準と検品方法を、どの言語・どの書式で共有するか
複数国に分散する場合、同じ仕様書で同じ品質が出るとは限りません。仕様書の書き方と検品基準を先に固めておくほど、国を増やしたときの負担は小さくなります。
スタイルワークス視点
スタイルワークスのように、複数の生産国を使い分けながら発注を組み立てる立場では、こうした展示会のニュースは「新しい生産国のカタログ」ではなく、既存の発注先を見直す時期かどうかの判断材料として読むのが現実的です。
たとえば、これまで1か国に集約してきた発注を分散する場合、まずは仕様が単純で数量の読めるアイテムから移すのが現実的です。複雑な加工を伴う商品をいきなり新しい国に持っていくと、サンプルのやり取りだけで想定以上の時間がかかります。
分散の目的は、安く作ることではなく、止まらないようにすることです。どのアイテムをどこで作るかを整理しておけば、価格が動いたときも納期が詰まったときも、選択肢を持った状態で判断できます。
参考
- WWD / Sourcing Journal: https://wwd.com/sourcing-journal/sustainability/source-fashion-london-july-2026-excel-manufacturing-1239067540/